Kaspa(KAS)の概要
Kaspaは、マイニング(Proof of Work: PoW)を採用したレイヤー1チェーンで、ネイティブトークンとして$KASが発行されています。2023年10月時点ではスマートコントラクト機能が搭載されておらず、ビットコインのように純粋な暗号資産としての機能を有しています。
このプロジェクトはYonatan Sompolinsky氏によって設立されました。Yonatan氏はハーバード大学で博士研究員をしており、暗号資産の学術的な領域においては良く知られたコンピューター科学者です。
Yonatan氏により、Kaspaの基礎となるコンセンサスアルゴリズムのGhostDAGプロトコルが発明されました。GhostDAGプロトコルは、ビットコインで使用されているナカモトコンセンサスをよりシンプルな形に(一般化)したもので、高いセキュリティを確保しつつ、並列処理を行い高速な合意形成を実現します。また、これまでのブロックチェーンとは異なり、独自のデータ構造のblockDAGを採用し、既存のブロックチェーンや有向非巡回グラフを採用したDAGチェーンより強固なセキュリティを確保。また、フロントランニングがなくユーザーにとって平等な取引環境を提供します。

KaspaのblockDAG
Kaspaは、2021年11月7日にメインネットがローンチしました。プロジェクトによるプレマイニングが行われておらず、また$KASが事前に関係者や投資家に割り当てられることもありませんでした。プロジェクトそのものは、コミュニティプロジェクトとして扱われ、完全にオープンソースであり、中央集権的なガバナンスをすることなく運営が行われています。2023年10月時点において、Kaspaのチェーンにスマートコントラクト機能は搭載されていないものの、搭載する構想自体は存在しており、コミュニティ内(Discord #smart-contract-brainstormingにて)で実装のための議論が行われています。
Kaspa(KAS)の技術的な特徴
トランザクションが高速
Kaspaでは、これまでのブロックチェーンはブロックが線形に繋がっていく構造であるため、トランザクションを十分に確保できないとし、そのアプローチとしてblockDAGを開発しました。blockDAGは、トランザクションがまとまったブロックを有向非巡回グラフ(Directed Acyclic Graph: DAG)でつなぎ合わせるデータ構造になっています。各トランザクションは約1秒でblockDAGに公開され、かつ1秒ごとに複数のブロックが生成されます。また、平均10秒でトランザクションが完全に確認された状態になります(将来さらに短縮予定)。これにより、高速なトランザクションを実現します。
効率的な Proof of Work
Proof of Stake (PoS)を採用したチェーンが多い中、Kaspaは”純粋な”Proof of Work (PoW)を採用しています。Kaspaでは、分散化を重視しており、そのために中央集権的になりやすいPoSではなくPoWを選択しました。加えて、環境への悪影響を避けるために、マイニングアルゴリズムにはkHeavyHashを採用し、ワットあたりのハッシュパワーが非常に高くなっています。
また、blockDAGによりすべてのブロックがチェーン上に取り込まれるため、これまでのように重複ブロックが発生した場合にそれを破棄するということが起きず、計算努力が無駄になりません。そのため、他のマイニングを採用しているチェーンと比べてもエネルギー効率が高くなっています。
独自データ構造 blockDAG
Kaspaは、世界で初めて blockDAG を採用しました。blockDAGはブロックチェーンとDAGチェーンのハイブリッドのようなデータ構造です。ブロックチェーンはブロックの中にトランザクションを溜め、一定間隔で次のブロックを生成していきます。そしてブロック同士のつながりはリニア(線形)になっています。その一方で、一般的なDAGチェーンは取引データを同士を直接接続していきます。blockDAGは、これら2つの特徴を兼ね備えています。
blockDAGの「ブロックをDAGでつなぎ合わせる」という発想により、Kaspaではすべてのブロックがチェーンに取り込まれます。この仕組みにより、ブロックを頻繁に生成できるようになるため、より多くのトランザクションが容易になり、ほぼ即座に確認が行えるようになります。
KASトークン
Kaspaでは、チェーンのネイティブトークンとして$KASが発行されています。
KASトークンの排出
Kaspaのメインネットはフェアローンチが行われたことから、プレマインやプレセール、事前割り当てがありません。そのためマイニングによる純粋なインフレによりトークンが排出されていくことになります。
$KASの最大供給量は287億枚になり、1年で排出量が半減していくように設計されています。詳しい数量は、Kaspaのトークノミクスのページから確認することができます。

$KASの排出スケジュール(引用:TOKENOMICS – Kaspa)
KASトークンが売買できる取引所
Kaspaに関する情報