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分散型の代替インターネットプロジェクト「tomi(TOMI)」の解説

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tomi(TOMI)の概要

tomiは匿名で分散型の代替インターネットを作成するためのプロジェクトです。プロジェクトのトークンとして$TOMIが発行されています。多くのプロジェクトでは通信または取引のプライバシーいずれかに焦点を当てていますが、tomiでは両方に焦点を当てています。tomiのインフラや運営はtomiDAOにより管理され、言論の自由の自由などの基本的な人権を確保することを目的としています。

中国やロシア、イランなどの地域には、政府によりインターネットが検閲され、インターネットに完全にアクセスできるわけではありません。このような地域の総人口は20億人以上にのぼります。これらの国では検閲によりプライバシーが著しく侵害されるのはもちろんのこと、場合によってはユーザーの身を危険に晒すことに繋がります。

tomiにより提供されるtomiNetは、Web3のインフラとして機能し、これまでのインターネットを代替することを目的としています。tomiNetでは送受信先のIPアドレスや通信が暗号化されることにより、ユーザーは政府に通信をブロックされることなく自由にインターネットにアクセスすることができるようになります。また、本当にブロックすべき有害な情報がある場合は、tomiDAOによってブロックするかどうかを民主的に決定します。

この他、tomiではtomiNetを効果的に利用するために分散型DNSのtNDSやブラウザtomi Browser、匿名で資産の送信を行うためのレイヤー2であるTomi Privacy Layerなど、プライバシー確保して言論や思想の自由を守るためのソリューションを提供していきます。

tomiは、2023年3月にDWF Labsをリードとして、Ticker CapitalやPiha Equitiesらから4000万ドルを資金調達しました。

tomiの主要製品

tomiNet:検閲・ブロック不可なメッシュネットワーク

tomiNetは、既存のインターネットの上位レイヤーに構築された、第三者によって検閲やブロックをすることができないメッシュネットワークです。メッシュネットワークではTOR(トーア)として知られたThe Onion Router Protocolを利用し、tomiNet上のすべてのデータ、アドレス、通信を暗号化します。また、IPFSや分散型ドメインネームサービス tDNS (*.tomi) を使うことで、tomiNet上のコンテンツそのものが検閲できないようにします。

tomiNetには、専用ブラウザのtomi Browserからアクセスすることができます。このブラウザはBraveからフォークされたものであり、同ブラウザを使い慣れている人であれば違和感なく利用することができるようになっています。tomi Browserは、前述のtDNSに対応しており、シークレットウィンドウやプライベート検索、VPNにも対応しています。

また、メッシュネットワークそのものは、プロジェクトが提供する専用ハードウェア「MP1」や同様の要件を満たすノードで支えられます。

tomi Browserを使ったtomiドメインページへのアクセス

tomi Browserを使ったtomiドメインページへのアクセス

Tomi Privacy Layer:プライベートな送金を可能にするレイヤー2

Tomi Privacy Layer (TPL) は、プレイベートな送金を可能にするためのEthereumのレイヤー2です。zkRollupとSnark Proofを使用し、スケーラビリティとプライバシーの両方を確保することができます。また、米ドル($USDT, $USDC)を担保にすることで、TPL上で米ドルのプライベート決済ができるtpUSDを利用することができます。

tomiのホワイトペーパーによると、より良いソリューションが見つかるまでは技術ベースにStarkwareを使うとしています。

tpUSD

TPLのプライバシー特化のアーキテクチャにより、ユーザーは機密情報を明かすことなく、安全に取引やスマートコントラクトを実行することができます。また、開発者はTPL SDKを使用して、Ethereumやその他のサービスとプライベートにやり取りすることができます。TPLへのEthereumからの資産のオンボードは、tomiが公式で提供しているウォレット tomiPAYからもできるようになります。

TOMIトークン

tomiは、プロジェクトのトークンとして$TOMIを発行しました(Ethereum上のERC20規格)。

TOMIトークンの用途

  • DAOの投票と委任
  • エコシステムの貢献者への報酬
  • 開発資金(tomiDAOが管理)の払い出し
  • ドメイン購入やホスティングのための支払い
  • tomiNet内の製品やサービスに対する決済
  • tomiNet及びエコシステムに関する料金の支払い

TOMIトークンの配布

$TOMIは、tomiDAOをサポートする初期ユーザーがPioneer NFTを購入するごとに$TOMIの供給量が増えていくPoM (Proof of Minting)を採用しました。Pioneer NFTは、tomiDAOのメンバーシップを表すNFTです。

$TOMIの供給上限はなく、毎年1月11日に1000万ドル相当の$TOMIがtomiDAOの管理ウォレットに発行されます。追加発行分は、エコシステムのサポートと開発にのみ使用することができ、その他の用途に使用することは許可されていません。

最初の5年間における$TOMIの想定総供給量(5億9700万枚)は以下の通りです:

  • 7%:シード投資家、初期出資者
  • 18%:創業チーム
  • 33%:コアチーム、開発者、アドバイザー、マーケティング、追加サプライヤー
  • 42%:一般投資家、ディストリビューター、tomiDAO

TOMIトークンを売買できる取引所

tomiに関する情報

 

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この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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