Layer1プロジェクト解説暗号資産

XDC Network(XDC)の解説

Layer1
スポンサーリンク

XDC Network(XDC)の概要

XDC Networkは、XinFinにより開発されているエンタープライズグレードのパブリックブロックチェーンです。XinFinは、特にグローバル貿易と金融市場において、現実世界のビジネスプロセスを改革することを目的に、2019年6月1日にXDC Networkのメインネットを、その後2021年第1四半期にXDC財団を立ち上げ、ネットワークにおける影響力を分散化させるために取り組んでいます。このような背景から、XDC Networkは貿易金融や資産のトークン化、そして企業が利用する様々なソリューションへの対応を前提としています。

技術面においては、XDC NetworkはEVM互換であることから、これまでEthereumの開発に慣れた開発者であれば違和感なくアプリケーションの展開を行うことができます。ネットワークは、独自のコンセンサスであるXDPoSを採用し、ほぼゼロのガス料金と2,000TPSの処理容量、そして2秒のファイナリティを実現します。加えて、これまでの金融分野のシステムとのメッセージングを可能にするために、ISO20022互換のメッセージングシステムを備えています。これにより、コアバンキングシステムやERP、SWIFTなどとの相互運用性の確保が容易になります。

XDC Network(XDC)の特徴

企業のユースケースを実現しやすいネットワーク構成

企業がブロックチェーンを使う場合、現実的にそれを構成するバリデーターは信用できるかという問題が生じます。とりわけ、貿易金融などの高いシステムの信頼性が求められる分野は、不正の可能性を排除する必要があります。そこで、XDC Networkではマスターノード(バリデーター)にKYCを課しています。マスターノードはXDPoSと呼ばれるコンセンサスによってトランザクションの検証を行い、1000万XDCのステーキング要件が課されています。

また、企業のユースケースには必ずしも透明性が高いパブリックブロックチェーンが適しておらず、取引のプライバシーの観点から匿名性が重要になることがしばしばあります。そこで、XDC Networkでは企業独自のブロックチェーンであるサブネットを展開できるようになっています。サブネットは、実質的にメインネットのレイヤー2になり、サブネットのコンセンサスの結果がメインネットに記録されるようになっているため、メインネットが改ざんされない限りサブネットも改ざんされないようになっています。また、サブネットの性能や機能はメインネットと同等のものになります。

国際標準のメッセージング規格を採用

企業のシステムは、ブロックチェーンベースのみではなく様々なシステムが動いています。そのため、既存のシステムとブロックチェーンを連携させるには、ブロックチェーンとそれらのシステムが同じ規格のメッセージで通信できる必要があります。そこで、XDC Networkでは金融における共通のメッセージ規格である ISO 20022 を採用しています。これにより、コアバンキングシステム、ERPシステム、SWIFTシステムなどのシステムとXDC Networkとの統合が容易になります。

XDC Network上のプロジェクト

XDC Networkでは、既にエンタープライズを含む様々なユースケースが動いています。ここでは、代表的なものをいくつか取り上げます。より多くのプロジェクトを知りたい場合は、XDC Utilityから確認することができます。

ComTech Gold

Comtech Gold

ComTech Goldは、純金にペグしたトークンを発行するプロジェクトです。金のトークン化プロジェクトとしては、イスラム教のシャーリアにはじめて準拠した初のものになります。 1CGOは純金1グラムを表しており、トークンを金を償還することができます。競合のプロジェクトと比べて、最低購入金額が0.001グラムと低く抑えられています。

TradeFinex

TradeFinex

TradeFinexは、現実世界の資産プールのためのオープンなTradeFiプロトコルとマーケットプレイスです。貿易金融のオリジネーター(資産証券化した商品に関する、対象となる資産の当初の債権者のこと)が銀行やそれ以外の事業者にディールを配信します。請求書や信用状、保険、船荷証券をデジタル化し、規制に準拠した取引資産のプールを作成することで、貿易におけるキャッシュフローを改善します。

PLUGIN

PLUGIN

PLUGINは、XDC Network上に構築された分散型のオラクルネットワークです。暗号資産や為替、コモディティなどの価格フィードの他に、準備金の証明やカスタムされたデータフィードの追加に対応します。また、将来的には気候データが追加される予定です。

BLOCKFUND

BLOCKFUND

BLOCKFUNDは、分散型の寄付プラットフォームです。非営利団体がブロックチェーン上で受け取った寄付金の分配を事前にプログラムすることができ、寄附者に「寄付の証明」NFTを提供することで特典を付与することができます。

LedgerMail

LedgerMail

LedgerMailは、世界初の分散型メールサービスです。分散化により、セキュリティと暗号化はもちろんのこと、プライバシーと検閲体制を確保します。一般的なユーザーがLedgerMailを使いやすくするため、一般的なネットサービスと同様にメールアドレスをIDにしてログインすることができるようになっています。

XSwap Protocol

XSwap Protocol

XSwap Protocolは、XDC NetworkにおけるAMM DEXです。EthereumのERC20トークンに相当するXRC20トークンを扱うことができ、UniswapやPancakeSwapに慣れた人であれば違和感なく利用することができるようになっています。

Yodaplus

Yodaplusは、現実世界の資産をトークン化するためのプラットフォームです。トークン化できる対象は多岐にわたり、債権やコモディティ、不動産や貴金属の他に、スポーツカードは美術品などがあります。

XDCトークン

XDC Networkでは、ネイティブトークンとして$XDCを発行しています。

XDCトークンの用途

$XDCは、以下の用途で利用されます。

  • XDC NetworkにおけるdAppsの決済
  • マイクロペイメント
  • オンチェーントランザクションのガス代
  • スマートコントラクトの展開とスマートコントラクトイベントトリガーの決済

XDCトークンの配布

$XDCの配布は、以下の通りとなります。詳細は「Tokenomics」より確認することができます。

$XDCは、初期供給として 37,500,000,000 XDC が発行され、以下の割合に応じて配布されました。

  • 40.00%:創業者、アドバイザー、コアチームメンバーとコミュニティ
  • 26.67%:エコシステム開発
  • 26.67%:事前割当(Alphaex交換用のトークン、マスターノードステークなど)
  • 6.66%:予備

また、$XDCはマスターノードが獲得する報酬として年間およそ8670万XDCのインフレが生じます。一方で、スマートコントラクトに実行で$XDCがバーンされるようになっています。そのため、XDC Networkのトランザクションが活気づくと最終的に$XDCがデフレになっていくとみられています。

XDCトークンを売買できる取引所

日本の取引所:

海外の取引所:

XDC Networkに関する情報

スポンサーリンク
この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

Junya Katoをフォローする
TOKEN ECONOMIST(トークンエコノミスト)
タイトルとURLをコピーしました