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アプリチェーンの展開ポータル「Dymension(DYM)」の解説

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モジュラーチェーンの進化が進むにつれ、アプリケーションのための独自チェーンの展開がますます簡単にできるようになっています。Dymensionは、独自チェーンを簡単に立ち上げるためのポータルを提供しています。

Dymension(DYM)の概要

Dymension(ダイメンション)は、モジュラーチェーンのための独自チェーンを簡単に立ち上げるためのポータルを提供するプロジェクトです。決済・セトルメントレイヤーとして構築されたDymension Hubの上で、アプリケーション独自のロールアップをRollApps(ロールアプス)を立ち上げられるようになっています。

ブロックチェーンのアプリケーションは、Ethereumのような汎用的なプラットフォーム上に構築されることが一般的ですが、特定のアプリケーションの混雑が、他のアプリケーションに影響をもたらすことは珍しくありません。このようなことは、Web3においては未だに常識的なものになっていますが、一般的なWeb2サービスでは、例えばX(旧Twitter)の混雑がFacebookに影響を与えることはありません。このような問題に対処するために、Web3業界ではアプリケーション独自のチェーンを作成するアプローチが登場しました。しかし、既存の同アプローチでは、チェーンの開発やバリデーターを誘致してセキュリティを確保する労力が大きく、誰しもができるものではありませんでした。Dymensionが解決しようとしているのはこのような状況です。

Dymensionは、モジュラーブロックチェーンにおけるいち機能として構築されています。データ可用性は、CelestiaやAvailなどを利用できるようにし、自らはロールアップ”RollApps”の立ち上げ機能の提供と決済レイヤー及びコンセンサスの提供に集中しています。RollAppsは、高い柔軟性と最小限のオーバーヘッド、高いパフォーマンスを確保でき、他のRollAppsやIBCエコシステムとの流動性へのアクセスが容易になっています。

Dymensionの技術ハイライト

RollApps:Dymension上のロールアップ

Dymensionでは、EVMやComsWasmに対応したアプリケーション固有のロールアップ「RollApps」を立ち上げることができます。RollAppのインスタンスは、Cosmos SDKをベースとして作られたRDK(RollApp Development Kit)を使用してDymension Hub上に展開され、データ可用性レイヤーにCelestia解説記事)かAvail解説記事)を選択することができます。RDKにより、RollAppを展開するプロセスが簡素化するようになっています。

2024年1月19日時点のDymensionのテストネット”froopyland_100-1″には、1,066のRollAppsが掲載、12,836のRollAppsが展開されています。

Dymension上のRollApps

Dymension上のRollApps(Listed RollAppsより)

Dymension Hub:Dymensionの決済・コンセンサスレイヤー

RollAppsの決済やコンセンサスを担うのがDymension Hubです。そのため、RollAppsのセキュリティはデータ可用性レイヤーの他に、Dymension Hubからも提供されます。

Dymension Hubは、RollAppsにIBC由来の相互運用性を提供し、IBCエコシステム全体におけるブリッジを容易にします。また、RollAppsに流動性を提供するための自動マーケットメーカー(AMM)が組み込まれており、RollApps間の資産の取引を容易にします。

DYMトークン

Dymensionは、Dymension Hubのネィティブトークンとして$DYMを発行します。詳しくは、公式ドキュメントの$DYMのページから確認することができます。

DYMトークンの用途

  • RollAppsから引き出し時の手数料
  • 組み込みAMMの手数料
  • RollAppsのシーケンサーになるための担保

DYMトークンの配布

$DYMは、初期供給量が10億枚で、トークンリリース時に以下の割合に応じて割当てられます。その後は、ステーキングによりトークンがインフレしていきます。

対象 割合 内容 ロック解除
パブリック 8% ジェネシスロールドロップ(エアドロップ)とインセンティブテストネット リリース時に全ロック解除
エコシステムと研究開発 20% 長期間の開発のための財団への割当て 33%がリリース時に解除、残りは36ヶ月のベスティング
インセンティブ管理者(オンチェーンDAO) 33% ロールアップ・クレジット・ストリーム、ロールドロップ・シーズン、AMMインセンティブを目的として、プロトコルが所有する資金を保有して配分 リリース時にガバナンスに利用可能(非循環)
コミュニティプール(オンチェーンDAO) 5% ダイメンション・プロトコルの長期的なトレジャリーとしての役割 リリース時にガバナンスに利用可能(非循環)
投資家 14% 資金援助とサポートを提供したパートナー 12ヶクリフ、24ヶ月のベスティング
コア貢献チーム 20% 過去および将来の貢献に対する初期貢献チームのための予約 12ヶクリフ、24ヶ月のベスティング

DYMトークンを売買できる取引所

Dymensionに関する情報

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この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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