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ビットコインは普及するのか?

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以前「仮想通貨ビットコインを使うために、取引所のbitFlyerとcoincheckを比較してみた」という記事を書いたこともあり、知り合いの方にビットコインってどうなのよ?ということを良く聞かれます。この機会に、筆者の考えるビットコインの未来について書いてみたいと思います。

ビットコインとは?

よくビットコインってどうなのよ?と聞かれることがありますが、私はこう答えています。「ドルやユーロと同じような通貨で、それが単にバーチャルになっている。」と。厳密には通貨ではないのですが、端的に説明するためにそうしています。また、電子マネーとも異なります。電子マネーは、円の入れ物を電子的なものにしただけで、それ自体に価値があるものではありません。対して、ビットコインはそれ自体に価値を持ちます。

日本でビットコインは怪しいと思われるものと思われていますが、筆者はその背景が大きくは以下の2つであると考えています。

私はこれらについて、ビットコインを怪しいと思っていることについては、もったいないなと考えている立場になります。せっかくなので、この2つについて触れておきます。

マウントゴックス事件について

今のところは、ビットコイン取引所(ビットコインを円やドルで買うことができる場所)の代表者が、取引所にビットコイン口座を開設した人のビットコインを横領したという見方になっています。当時マスコミにより「ビットコインは終わりだ」と報道されたものですが、筆者は論点がずれているなと感じたことがあります。そもそも横領するということは、ビットコインそれ自体に価値があるということの裏返しであるからです。実際は、取引所のビットコインを管理するシステムに欠陥があったわけなので、ビットコインそのものの問題ではありません。

D9クラブやビットリージョンなどのHYIP案件

HYIP案件とは、月利10%などの高利回りを謳う案件のことで、お金を突っ込むと破綻してほぼ引き出せなくなると言われています。いわゆるネズミ講(ポンジスキーム)案件です。筆者にはD9クラブのお誘いは来ませんでしたが、ビットリージョンは来ました。

少し脱線しますが、ネットワークビジネスとネズミ講の区別が判らずに言葉を使っている方が非常に多いので、一度ネズミ講についての解説をネズミ講の仕組みとは?ねずみ講は完全に犯罪(違法)で、マルチ商法やMLMとは違うものですよりご一読ください。

筆者がビットリージョンに誘われた時の記憶をたどると、新しいものを凄そうに見せるために敢えてわかりにくくしているという印象でした。これらの案件については、ビットコインを題材にしているだけで、やっていることは単に詐欺になります。

ビットコインそれ自体は、前述の通り単に通貨をバーチャルにした概念なので、ビットコインそのものの問題ではありません。

ビットコインは普及するのか?

筆者はここ5年で考えると、間違えなく普及すると考えています。そのように考える背景は、以下の通りになります。

  1. 毎週のように誰かから必ず質問を受ける。多くの人は手を出していないが、間違いなく関心はある。
  2. ビジネス交流会に出ると、ビットコインセミナーをやっている人と会うようになった。
  3. ビットコイン決済の対応店舗が実際に増えている。
  4. イノベーター理論で当てはめると既に本格普及の初期に入った。

1から3については、ニュースもそうですが、世の中の関心が高いことを実際に肌感覚として強く感じています。特に東証一部上場企業のビックカメラでビットコイン決済が使えるようになっているのはご存知の方も多いと思います。また、GMOインターネットがビットコインマイニングに参入したもの大きな話題となりました。

イノベーター理論にあてはめた解釈

イノベーター理論とは、商品の普及段階を表していくものになります。本当に新しいもの好きの2.5%の人たち(イノベーター)、新しいもの好きの13.5%の人たち(アーリーアダプター)まで普及すると、一気に商品が普及するという理論になります。ちなみに16%のラインをキャズムと言います。iPhoneもこれと似たような普及の仕方をしています。

イノベーター理論

イノベーター理論。 画像は「イノベーター理論とは?事例や意味は?キャズム理論とは? 」より引用。

正確な資料は出てきませんでしたが、聞いた話によるとビットコインの普及率はこの記事を執筆している時点で3%程度と言われています。それが正しいとすれば、現在はイノベーター(2.5%)に普及する段階を脱したところで、アーリーアダプター(13.5%)に対して普及する段階に入ったと捉えることができます。

筆者の周囲の様子を見ている限り、普及していくのは確定的であるように感じています。今ビットコインはバブルであるという主張も見られますが、この理論に当てはめて考えると本当のバブルはまだ先だと考えられます。

ビットコインは超長期的に使われ続けるのか?

これは15年以上先の話ですが、筆者はこの問いに関してはNoであると考えています。それはビットコインの特性にあるからです。

  • 処理速度が遅いため、本格的な普及に耐えられない。
  • プルーフオブワークであるため、計算量の増加によりマイナーの損益分岐点が割れる日が来る。

処理速度が遅いため、本格的な普及に耐えられない

ビットコインはその仕様から、1秒あたり7処理が限界でした。そのため、segwitするかといことが話題になり、結果的にビットコインが分裂してビットコインキャッシュが誕生した事件に発展しました。クレジットカードのVISAのシステムでは、1秒あたり4000-6000処理をこなせるため、この値がいかに小さいかがお分かりいただけるかと思います。

ただし、これは現時点に限った話であるため、将来的に解消される可能性は十分にあります。ただ、今回のsegwitの件から推測するに、そうなるのは順調でないことが予測されます。

プルーフオブワークであるため、計算量の増加によりマイナーの損益分岐点が割れる日が来る

筆者は、これがビットコインが超長期的に使われなくなると思っている一番の要素だと思っています。

プルーフオブワークとは、大雑把に書くと「マイナーと呼ばれる人たちが自前のコンピュータ設備で演算を行って、ビットコインの決済が正しいか証明すること」を指します。この演算量がこの記事を執筆する時点で、既に個人では手を出せないレベルに達しています。あまりにも演算量が多くて専用の設備が必要だからです。

写真は、世界最大のマイニング組織であるBITMAIN社のマイニングプール(工場)になります。工場は中国にあります。中には、コンピュータがきっしりと並んでいます。世界の約13%のビットコイン処理をここが捌いています。ハッシュレート分布 大きなのマイニングプールのハッシュレート分布の推定を見ると、どこの業者が規模が大きいマイニングプールを所有しているかが判ります。BITMAINは「Antpool」というマイニングプールの名前で登録されています。彼らがいることで、ビットコインの決済処理が保たれているといえます。

BITMAINのマイニング工場 「Take a 360 walk around one of the world’s biggest bitcoin mines」より引用。

一方で、マイナーはコンピュータを使い高度な演算を行うことで新たなビットコインを見つけ出しています。これを金を採掘することになぞらえてマイニングと言います。しかしながらその演算難易度が指数的に上がっているのが現状です。

写真は、直近2年の演算の難易度を示しています。演算の難易度が増えるということは、それだけ演算に電力コストと演算設備への性能が求められるということを意味しています。

2017年9月19日時点のマイニング難易度 Blockchainのグラフをキャプチャ。

ビットコイン誕生時(2009年)の難易度を1とすると、画像のグラフの始点となる2年前の難易度は59,335,351,234になります。そしてグラフの右端である2017年9月17日は、難易度が922,724,699,725となります。わずか2年で難易度が15.6倍になったことを意味します。半導体の進化スピードと比較しても、演算難易度の増加速度の方が速いということが判ります。

このままいくと、どこかの将来でマイニングのコストが割れることが想像できます。そうすると、マイナーがマイニングの事業から撤退し、ビットコインの処理を担う人がどんどん減っていき、処理ができなくなっていくという未来が予測されます。

ビットコインの次の仮想通貨は?

筆者は、最終的に以下の仮想通貨が生き残るのではないかと考えています。

  • Ripple (XRP)
  • NEM (XEM)

詳しくは書きませんが、いずれもビットコインで問題とされている部分を解決した要素を持っています。

大まかにその理由を書くと、Rippleは大手金融機関の支持を獲得しているからになります。NEMは、ICO(仮想通貨を使った新たな資金調達方法)に採用されるなど、用途が広がりつつあるためです。

RippleやNEMを手に入れる手段は?

基本的には、仮想通貨の取引所を利用して仮想通貨を買います。筆者はcoincheckを愛用しています。RippleやNEMが買えるのがcoincheckだからという理由が一番大きく、bitFlyerと比べてもアプリの使い勝手が良いためです。対して、bitFlyerはRippleやNEMを買うことはできません。

取引所の比較の記事は、以前執筆した「仮想通貨ビットコインを使うために、取引所のbitFlyerとcoincheckを比較してみた」をご覧ください。

まとめ

以下が「ビットコインは普及するのか?というテーマ」に対するまとめになります。

  • ビットコインはこれから本格的な普及期に入ると思われる
  • 超長期的には他の仮想通貨にとって代わられると思われる

しつこいようですが、あくまでも筆者の予想です

色々と書きましたが、未来のことなので誰もわかりません。筆者が今持っている限りの知識とデータから解釈しただけに過ぎません。

仮想通貨は投機の一面もありますので、くれぐれも自己責任でお願い致します。これをきっかけに、仮想通貨への興味を持ってくださると嬉しく思います。

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この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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