インタビュー

【インタビュー】PumaPay 片山氏 ー片山氏の自己紹介(1/4部)

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仮想通貨の決済を浸透させるためのプロジェクトPumaPayは、2018年に実施されたICOの中では資金調達額がトップとなり話題になりました。

PMAトークンを持っている人は多く、12月16日に行われたミートアップはトークンホルダーにとって注目度が高いイベントになりました。

そこで、当メディアではより内容を深掘りするために、PumaPay日本事務局代表の片山森雄氏に対談インタビューを申し込みました。

第1部では、片山氏がPumaPayに関わるようになったきっかけを訊いていきます。そこには、従来の決済が抱えている大きな問題を垣間見ることができます。

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PumaPay 片山氏 インタビュー 第1部

青字:加藤(訊き手)、黒字:片山氏

片山氏の自己紹介

加藤:片山さん自身の自己紹介をお願いします。元々何をやっていたのか、仮想通貨との出会いのきっかけ、そしてPumaPayに関わるようになった経緯を教えていただけますか?

片山:名前は片山森雄(かたやまもりお)と言います。今年で三十路になります。

元々違う分野にいて、今年からブロックチェーン分野に行った新参者です。大学では経済を学びまして、そこでお金とか、お金の流れとか、お金の吸い上げ方とか(笑)を勉強しました。

卒業してからはスポーツアパレルのメーカーに勤務しました。メーカーの中でも全然営業とかじゃないんです。職種でいうと、生産管理とかサプライチェーン管理、モノを作って売るというところでは作る方、具体的に言うと服を東南アジアで作るのを管理していました。なので、アパレルの知識は結構あります。

PumaPay 日本事務局代表の片山氏

PumaPay 日本事務局代表の片山氏

片山:そのおかげで、東南アジアには結構行っていたんですよね。主にマレーシアは数十回行きましたし、インドネシア、ベトナム、中国も何回も行きました。入社して4年目に香港の駐在員になって、香港に2年間いました。

メーカーの駐在員という感じでいたのですが、どうしても海外に住んでいると日本を外から見つめる機会があって、世界的にもお金の流れって不自由だなと思いまして、手数料が高いとか、日数がかかるとか、言葉にするとそういうことなんですけれども、やっている当事者として泥沼に浸かりながらもがいているような感じがして、これって何だろうなと思ったら、やっぱりシステムが今の世界に合致していないのかなと。

加藤:それは金融のシステムってことですか?

片山:そうですね、金融のシステムです。今の世界って国際化しているじゃないですか。しかもデジタル化しているじゃないですか。情報だったら、どこの国の情報でも瞬時に取れたりとか、情報が出せたりとか、情報のシェアはインターネットでバンバンできる時代になっていますよね。

人の移動を考えても24時間かけていけない地域って殆どないですよね。かなりの秘境しかないですよね。

あとはモノですね。最近、僕はアメリカからチョコレート買ったんですよね。

加藤:わざわざアメリカから買ったんですね。

片山:そしたら、まぁ1週間ぐらいで着くかなと思ったんですが、2日で着いたんですよ!わー、すごいって(笑)

加藤:そんなに早いんですか。

片山:なのに、お金が2日で着かないことがあるんですよね。

加藤:不思議ですね、それは。

片山:そうなんですよ、不思議なんですよ。銀行送金ですけど、日本から香港に飛行機で行っても4時間半ですけど、何でお金を送るのに土日を挟んで3日もかからなければいけないんだと。

加藤:モノより軽いので、早く着きそうな気がするんですけどね。

片山:まさにモノより軽そうだし、もっと言ってしまえばお金っていまデータで扱えるじゃないですか。データはすぐ行くのに、でもお金はいかないんですよね。なので、お金のデジタル化が進んでいないのかなと。

そういうことは、最初は考えてなかったのですけれども、だんだんそう考えるようになってきました。要は、お金の仕組みが新しいのあったほうがいいんじゃないかと思っているときに、仮想通貨を知ったんですよね。

一番最初は、香港から日本に送金していたので送金手数料が嫌だなと思っていました。

加藤:ちなみに何パーセントくらいとられるものなんですか?

片山:例えば個人のレベルで、普通に香港から日本の銀行に日本円を1万円送金するとしたら、70%以上の手数料がかかりますね。これは極端な例ですけれども。

まず香港から送金手数料が1,500円くらいかかります。それで、日本円で送るとなぜか日本の銀行って着金手数料というのを取るんですよ。それが3,000円くらいかかります。さらに必ずどこかの銀行を経由するので、そこでまた3,000円くらいかかります。それで結局、1万円送るだけで7,000円以上取られます。

加藤:そんなに取られるんですか!?そこまで取られことが実際にあったんですね!

片山:ありました。しかも、口座に着金して残高を確認するまで、いくら手数料をとられているかわからないんですよね。

加藤:これは仕組み自体が欠陥としか思えないですね。

片山:裏技として、米ドルで送ると着金手数料がかからないんですよね。そのために、某銀行で米ドル口座を作ってそこに送ってみたんですけれども、例外で着金手数料がかかりませんでした。ただし、仲介銀行がいて、米ドルなのでアメリカの銀行を経由するんですよね。そこで結局3,000円くらいとられるんです。米ドルから日本円に両替する際には、また為替手数料がかかります。

加藤:これは少額の送金は無理ですね。

片山:どんなに頑張っても1万円送るのには適さないということなんです。僕は別に毎月1,000万円送金するわけじゃないので、1,000万円で考えてみても、まずは7,000円以上が固定費でかかって、さらに着金のときに0.05%くらいかかるんですね。金額に応じてなんですが。割合としては小さくなりますが、無視できない金額です。

日本円でやり取りすると高い着金手数料が取られる。米ドルだと着金手数料を抑えられる代わりに余計に為替手数料がとられる。いずれにせよ手数料がたくさん取られるには変わりないんですよ。

加藤:それはアホらしいですね!

片山:ビジネスとか貿易をやっている人って、年間や月間で億単位のお金を送るじゃないですか。でも送るたびに手数料がかかるので、彼らがどうするかというとできるだけお金を送らないようにするとか、お金を送る回数を減らすとかするんですよね。そうすると、それ自体が1つの事業になってお金を送らないようにするんですよね。

例えば、日本から香港にお金を送る必要があった時に、逆に現地でもビジネスをして香港から日本にお金を送る仕組みを作るんですよね。そうするとお互いに相殺できるんですよ、そんな感じですごい工夫しているんですよ。でも、それってビジネス上無駄じゃないですか。

加藤:まぁ、もったいないですよね。

片山:そう考えた時に、仮想通貨って仲介業者がいないので、無駄なお金がないなと思って。最初は自分の送金のために仮想通貨を始めたんですね。

元々はずっとスポーツのアパレルをやっていましたけれども、その中で貿易に関わっていく中で、今の金融システムの古さに気づいて仮想通貨に入ってきました。

最初は結構投資をしました。最初は送金して、送金をしたら「今度はついている金額が違うじゃん。なんか増えてるじゃん!」と。送金して1週間くらい置いておくと増えるんですよ。良い時代でしたね。去年の末くらい(笑)

加藤:確かに良い時代でしたね(笑)

片山:10万円が11万円になっているという感じだったので、色々調べてビットコイン買ったり、リップル買ったり、イーサリアム買ったり、草コインに手を出したりして、今年痛い目を見ました(笑)そんな感じですね。

そんな感じで、最初は仮想通貨に投資していたのですが、今年の頭くらいにビットコインの値段が天井を打って返ってきた感じですね。

加藤:あれはすごかったですね。

片山:でも、みんなまだあれは調整だと言って、これからまだ上がるぜと言っているときにヤバイなと思って、これは投資としてはヤバいなと思いながら握り続けていたんですね。今赤字なんですけれども。

そういう時に、これは技術としてしっかり勉強したいな、仕事として関わっていきたいなと思ったのが今年の始めですね。そのときはまだ駐在員だったんですけれども、他の事業を自分でやっていました。

私は英語も日本語もできるのですが、海外の特に欧米のプロジェクトからすると、日本って特に入りづらいマーケットなんですよね。言葉が分からないですからね。日本人って自覚していないですけれども、日本語って国際的に見るとものすごいマイナーな言語なんですよね。

加藤:日本人から見ても難しい言語ですしね。

片山:僕は最近知ったんですけれども、ルーマニアにことわざがあって、文章書くじゃないですか。これ意味わからないよってときに「これ日本語じゃん」って言うらしいんですよ(笑)

加藤:それくらい難しいっていう意味なんですね。

片山:僕らからしたら、これアラビア語じゃん、ミミズ這っているような字だねというのと同じ感覚みたいなんですね。なので、当然日本語を学んだことがない欧米の人にとっては、なんじゃこの国はという感じらしいです。あと、文化も違うし、すごい保守的だし、すごい閉鎖的だし、特に海外に対して心を開かないというところがあって。

そういう人たちが探すのってまず翻訳者なんですね。そして翻訳だけじゃダメだと気付いて、次はローカライゼーションなんですよ。翻訳も含め、国にあったマーケティングできる人を探すんですよね。最初、知り合い伝手で探すらしいんです。

最初は「英語がわかる日本人いない?」って言われて話を聞いたら、こういうプロジェクトなんだけど、日本で情報発信したいから翻訳できるひとを探していると。フタを開けたらブロックチェーンプロジェクトで、怪しいICOだったり、マジメそうなプロジェクトだったりしました。そういうのを最初は個人でやっていました。

加藤:翻訳から入ったんですね。この業界は翻訳から入る人多いですよね。

片山:そうなんです。僕は別に億り人じゃないですし、全然稼いでないですよ(笑)

それを2ヶ月くらいやっていて、そうすると自分が翻訳しながら学ぶんですよね。そうか、仮想通貨ってブロックチェーンなのか、例外はありますけれども。ブロックチェーンってこういう歴史をもってこういう技術を持っているのかと。

僕は学ぶのが好きなので、結構面白いなぁと思ったんですよ。たしか3月くらいですかね。その時に仕事のチームに入っていたんですね。

加藤:まだその時期だとPumaPayのICOをしている時期ですよね?早い時期からPumaPayに参加していたわけではないんですね。

片山:そうです。チームとして仕事を受けていて、チームとして翻訳したり、コミュニティマネジメントしたりしていました。そこは中国ベースのチームだったんですよ。中国ベースなんですけれども、拠点はスウェーデンと中国と香港でした。

そこから、5-6ヶ月で主にやっていたのは翻訳とコミュニティマネジメント、あとはマーケティングの戦略を取っていくことでした。例えばメディアに載せたり、インフルエンサーマーケティングのようなことをしていました。

その過程で、ブロックチェーンをガッツリやろうと決意したので、4月末にアパレルを辞めました。5月から晴れてノマドワーカーになりました。

加藤:だいぶ今どきになりましたね(笑)

片山:昔風にいうと脱サラですね。脱サラしてブロックチェーンに入ってきました(笑)

加藤:ブロックチェーン業界には、みんなそうやって入ってきますね。

片山:5-6月だったんですけれども、その頃はひたすらノマドカフェを探していましたね。

加藤:まずは拠点探しだったんですね。

片山:僕は、生まれも育ちも大森(東京都大田区)なんですけれども、品川や渋谷で活動しました。

渋谷のヒカリエはすごいお世話になっています。あそこWi-Fiがめちゃくちゃ速いんです。無料Wi-Fiで160メガも出るんですよ!

加藤:まじですか!?それはすごいですね!

片山:そこらのカフェとかと比べ物にならないくらい速くて、フリーですからね。そこは11階だったんですけれども、全階でも使えるんですよ。そこにシアターカフェというところがあって、朝から晩までいてやっていました。余談ですけどね。

次の起点があったのが7月か8月だっと思います。

加藤:またずいぶんと最近ですね。

片山:これもまた知り合いの紹介で、その時は個人として海外のプロジェクトが日本をメインに見てもらえる人を探しているということだったんですね。いいなと思ったんです。

その当時は浅く広くやってたのですが、やはり1つのプロジェクトにコミットして中の人とやりたいなという気持ちが強かったんですよね。なので、二つ返事で話を聞かせてくださいとなりました。

2日後にシアターカフェの隣のシアターテーブルで話しまして、そこで概要の説明はもらったんですよね。PumaPayの説明ですけれども、僕はその時はPumaPayのことは知りませんでした。

当時の状況だとICOが終わって、価格は色々あるし、コミュニティが小さいのでしっかりやっていきたいと。

香港に紹介してくれた人がいたんですよ。そのすぐ後に香港に行って、その場で面接みたいなことをして「OKです。じゃあキプロス行きましょう!」ってなったんですよ。はやっ!て思って(笑)そこまで決まったのが、話をもらってからまだ1週間後でした。通常の会社の人事採用と比べるとけた違いの速さですね。

加藤:この業界のスピード感は全体的に速いですよね。

片山:僕もそのころには、中身を見て、コミュニティを見て、そのころにはPumaPayのTelegramで日本コミュニティがあって、中国系の会社が運営していたんですよね。ただ、うまくコミュニケーションが取れていないと思ったんです。

プロジェクトの中身を見ると僕は良いと思いましたし、提携企業も出ていて、これは広がっていくなと思っていたのに、コミュニティが荒れに荒れていたので、これはどうにかしたいなと思いました。これがやりたいと思ったきっかけです。

加藤:当時の片山さんから見たら、プロジェクトのどの点が良いと思ったのですか?

片山:シンプルで、世の中に必要とされていて、実際に需要が見込める筋が見えているかなと思ったんですよ。

加藤:重要ですよね。ブロックチェーンって、そういうものじゃなきゃ普及していかないですからね。

片山:やっぱりブロックチェーン自体が日が浅いですし、技術はまだまだ開発中で、だいたいのICOプロジェクトって、そのブロックチェーン技術の上に乗って何か開発するといっているじゃないですか。なので、まだまだ時間がかかるんですよね。

まずはブロックチェーン自体が流行らないと世の中に広がっていかないなと思いまして、そのためにPumaPayで決済、決済ってすべての源流なんですよ。ビットコインってもともと決済や価値の移転を目的としているじゃないですか。そこにPumaPayはピタリと当てはまるし、言っていることがシンプルなんですよね。みんなが仮想通貨決済できるようにしましょうということだけなんです。

世の中には難しいプロジェクトがいっぱいあるじゃないですか、なんとかチェーンとか。ちょっと前にやっていたのが環境保護系のプロジェクトで、すっごい良いし、大手企業と提携しているし、すごかったんですけれどもまったく伝わってこないんですよ。

加藤:シンプルじゃないと伝わらないんですよね。

片山:そうそう、そうなんですよ。そのシンプルさはいいなと思いましたし、重要ですよね。

これは誰かの受け売りなんですが、ICOって投資じゃないですか。しかも初期の。何を見るかというと、もちろんデューデリなんかもあるのですが、結局実現するかどうかですよね。

加藤:確かにそうですよね。

片山:どれぐらい大きくなるかは別ですけれども、実現するかどうかといのはすごい大事だと思うんですよね。その実現すると思ったというのが、PumaPayが良いと思った直接的な答えですね。

経緯の話に戻りますが、人の紹介を通じてPumaPayを知ったのですが、自分で見てみて興味をもって、実情をみたらもったいないと思ったんですよね。もっと広がるべきなのに詰まっていたので、そこを自分が変えたいなと。

とはいえ、まだ紙面上の情報だったんですよ。やっぱり人を見てみなければわからないなと。2週間後にキプロスの本社に行って、CEO含め30人のほぼ全員と会って、トップの10人とは2-3時間話して、ご飯も2-3回行って、そこで自分の中で納得できたんですよね。この人たちとなら大丈夫だと。

みんな堅いんですよ、結構。CEOは特に堅いんですよ。元銀行マンなんです。

加藤:先日のミートアップを見る限りちょっと堅めな感じはしますね。

片山:まじめ頑固一徹みたいな、よくブロックチェーン始めたなと思うんですよね。

加藤:ブロックチェーンって、銀行の人はやりたがらないらしいですね。

片山:そうらしいですね。でも、彼はすごい情熱があって、世の中を良い方向に変えたいと強く想っているんですよね。

加藤:それは先日のミートアップから私も感じてました。空気感から伝わってくるものがありますよね。

片山:モノをみて良いと思って、現状を見てこれは自分が関わりたいなと思って、人を見てこれなら自分が納得して、まず人に紹介するわけじゃないですか。自分が確信を持てなかったら人に紹介できないので、確信を得て契約をしたという流れです。

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次回予告

第1部では片山氏自身について紹介しました。

そして、筆者はインタビュー中にどうしても気になることを発見しました。それが片山氏の持ち物に描かれたこの犬です。

DOGEコイン カボスちゃん

第2部では、片山氏がイチオシの仮想通貨の話を交えつつ、PumaPayの今を訊いていきます。

第2部:片山氏がイチオシの仮想通貨、PumaPayの今

PumaPayに関する情報

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この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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