コラム

これから暗号資産(仮想通貨)で一攫千金を夢見る皆さまへ(from Junya Kato)

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nattanan23 / Pixabay
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ビットコイン価格が100万円を突破し、また暗号資産(仮想通貨)の相場が本格的に盛り上がりそうな様相を呈しています。

筆者のところにも「仮想通貨による資産運用サービスです」というセールス電話がかかってきたり「こんなコインどうですか?」という相談のメッセージがきたり、やはりそういう感じになっていくんだなという現象が起こりはじめています。

筆者は、ブロックチェーン業界にどっぷりつかっている身として、様々なプロジェクトをリサーチしてきたメディアの身として、これから決して忘れていただきたくないことについてお伝えしたいと思います。少々上から目線なのは、お許しください。

あなたはカモにされます

もし、あなたが2017年後半の暗号資産バブルを経験して、当時の教訓を口にできない場合、おそらくまた同じことを繰り返します。それは、あなたがカモにされるということです。

直近で流行っているあなたがカモにされる事案は、配当型ウォレットの案件かもしれません。筆者にもよくお誘いが来ます。

配当型ウォレット案件は、この記事の作成時点ではまだ破綻したとの情報はないですが、少し考えれば長期的な持続が困難な仕組みであるのは明らかです。

これらの案件の収益分配の根拠になっているアービトラージは、一般的に運用資金が大きくなると、ポジションを取る、手放すのが困難になるため、大きな収益をあげるのが難しくなっていきます。つまり、配当型ウォレット案件に多くの人が殺到する場合、その案件の資金運用者は大きな収益をあげるのが難しくなっていくということです。この手の案件で利益がたくさん出ていると謳われている場合、その真正性は疑わなければいけません。

とばいえ、配当型ウォレット案件も、一時的に儲かるのは事実ではあります。ただし、それが長期的に儲かるかといわれると、限りなくグレーに近いことでしょう。少なくとも筆者の周りのでまともなブロックチェーンビジネスに取り組んでいる人は、配当型ウォレット案件をやっていません。自分の利益先行で、多少モラルがない人がこの手の案件をやっているように見えます。

配当型ウォレット案件には、高い紹介フィーが存在しています。もし、あなたの友人が多少は暗号資産に詳しくて、ウォレット案件を勧めてくる場合、その友人はあなたとの長期的な関係よりも、自分の利益を優先している可能性があります。この機会にそのような人とは距離を置くことが、あなたの暗号資産投資を成功に導くための要素の1つになるかもしれません。

これはブロックチェーン業界に限った話ではありませんが、お金は知識が低い方から高い方に流れていくものです。特にブロックチェーンの場合は、内容が革新的で理解が難しいため、この高低差が激しいように思います。

筆者の周りを観察している限りでは、自分で調べ考えて投資している人と、自分で考えずに情報に振り回されている情報弱者な人がいます。そして、前者が注目しているものと、後者が注目しているものは常に違います。筆者が後者にラベリングしている人は、総じてウォレット系案件がお好きなようです。もし、あなたにウォレット系案件のお誘いが来た場合、あなたはカモに見られていると思っても過言ではないことでしょう。

ちょうど良いツイートがあったので、貼っておきます:

また、これからまた〇〇コインを買いませんかというお誘いもくるかと思います。基本的に、プロジェクトと直接ない人から誘いがくるものは、紹介インセンティブを出さないと拡大できない、そもそも弱いプロジェクトが多く、投資には慎重になる必要があります。

特にコインの場合、いままでの歴史をみると「技術で社会問題を解決する」というものの価格が上がる傾向があります。そのようなコインは、一般人からはパッと見で内容がわかりにくい傾向があります。もし、あなたが技術に疎いと心当たりがある場合、話の内容が一発で理解できるくらいわかりやすいものだとしたら、それは要注意です。

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ビジネスの強みはコイン価格に反映されません

これは先程の続きです。

まず理解していただきたいのは、○○コインを買うというのは本質的には単なるベンチャー投資であり、当たり前ですがベンチャー投資の死亡率は高いという事実があるということです。統計上はブロックチェーンプロジェクトの95%以上が1年以内に失敗するので、○○コインの投資も基本は失敗するということです。

そして、タチがわるいことに○○コインを売る人たちは、基本的にそのビジネスの優位性を根拠にコインの販売をしてきます。例えば「既に実業を行っている」「○○から出資を受けている」「大手と提携している」などです。あまり知られていない事実として、ビジネスの優位性は、コイン価格に直接的には関係ありません。もちろん、優位性があるに越したことはありませんが。

ビジネスの優位性がコイン価格に関係ないのは、どのようなことなのかと疑問に思った人がいることでしょう。もし、ビジネスの優位性がコイン価格と直接関係があるのであれば、ビットコインやライトコイン、イーサリアムのような時価総額上位にある実業をしてないコインになぜ価格がついているのでしょうか?

これは筆者が聞いた実際のプロジェクトの例です。名前は伏せますが、そのプロジェクトは幹細胞の治療の支払いに使えるコインを作っていました。そのプロジェクトは、提携先として大手の医療機関を示し、ビジネスの優位性を強調していました。

当時、そのプロジェクトは投資を求めているフェーズでした。投資の視点でみていくと、現実問題として投資資金を出せる人たちは年配者になります。若者は年配者よりお金を持っていないからです。そして、実際に幹細胞治療をするのは、健康に問題を抱えていたりアンチエイジングをしたい年配者です。しかし、実際にそのコインを入手できるITスキルを持っている層は若者になります。

ここから導けるのは、そのコインが大量に流通する可能性は低いということです。市場においてなかなか流通しないコイン(つまり流動性がないコイン)を売りたい場合、どうしても価格を下げざるを得なくなります。つまり、例に出したコインは構造上、価格が下がりやすいということがいえます。

話は戻りますが、実は先程のコインの例が価格が上がりやすいコインのヒントになります。まず、コインの価格が上がる前提条件がたくさん流通するということだからです。

ここからは仕手の場合を除く、一般的なコインの価格形成について見ていきます。

結論から書いてしまうと、コインの価格が上がりやすい要素は「1回あたりの決済額が大きく」「回転数が多く」「みんなが多くの在庫をストックする」というものです。これに該当すると、必然的に流通量が多いものになります。

さらに、コミュニティが強いとなお良いです。理想的なのは、それらの多くが取引所を通じて流通していくことです。コインの価格がつくのは、取引所を介すからです。

実は、これらの要素に当てはまる分野は多くありません。

まずは当てはまらないものを先に見ていくと、個別サービスに使うコインのほとんどがこれに該当します。例えば、投げ銭コインは、3要素のいずれにも当てはまりません。投げ銭というものは頻繁ではない上に、1回あたりの額は大きくないからです。

逆に、これらの要素に当てはまるものは、取引所トークン、分散型プラットフォームの基軸通貨くらいです。具体的には、ビットコインやライトコイン、イーサリアム、バイナンスコインが該当していきます。調べてみるとわかりますが、現時点で時価総額が高いコインは例外なくこの3要素に当てはまっています。

このような理屈から、ビジネスの強みはコイン価格に反映されないということがいえます。

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むすびに

ここまでの文章をお読みになりありがとうございました。ここまで読んで、多少不快な想いをした方は、多少なりとも危機意識を持っている方だと思います。

筆者は、おそらく直近の相場の盛り上がりが、ひと財産を築くことができる最後のバブルになると思っています。

これには根拠があります。以下はマーケットサイクルのチャートで有名な図です。金の相場チャートも見るとわかりますが、歴史的にこれと非常に似たパターンの動きをしています。

Psychology of a Market Cycle

Psychology of a Market Cycle

ビットコインに当てはめて見ると、2017年12月がPeakにあたり、現在はRecoveryのサイクルに入っている可能性があります。ここで正しい場所に資金を入れていると、ひと財産を築ける可能性があります。逆にここで失敗したら大きなチャンスはしばらくないことでしょう。

是非、共にチャンスを掴んでいきましょう!

同じテーマで、当メディアの執筆陣に寄稿していただきました。併せてそちらもご覧ください。

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この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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