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PumaPayミートアップレポート

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2018年12月16日にPumaPayの東京ミートアップが開催されました。その模様をお伝えします。

第1部は通貨の歴史を含めた仮想通貨の話、第2部はPumaPayのプロジェクト説明になります。プロジェクト説明にだけ興味がある方は、目次を開いて「第2部:PumaPayプロジェクト説明」にお進みください。

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第1部:仮想通貨に関して

PumaPayのプロジェクト紹介に入る前に、通貨と決済の歴史についてPumaPay日本事務局代表の片山森雄氏より説明がありました。

片山氏は、もともとスポーツアパレルの会社の仕事で香港に駐在し、国際的にモノとお金の移動を見てきました。そこで、国を超えてモノの移動が多いにも関わらず、金融は手数料が高すぎて国際的な時代に追いついていないと感じていたそうです。そのような矢先にブロックチェーンと出会い、現在の業界に至ります。

PumaPay日本事務局の代表 片山氏

PumaPay日本事務局の代表 片山氏

お金の価値とは

お金というのは、価値と製造原価がイコールではありません。実は1万円札の方が100円玉より製造原価が安く、1万円札の製造原価は22円、100円玉は25円になります。

なぜそのようなことが起きているかというと、お金は信用でできているからです。そこに信用を与えているのが、法定通貨の場合は政府になります。

原価22円の1万円札は皆が信用するから1万円の価値がある

原価22円の1万円札は、皆が信用するから1万円の価値がある

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世界のお金の歴史

ここで仮想通貨について考える前に、マニアックにお金の歴史が紹介されました。まずは世界です。

もともと、お金は物々交換をするのが面倒だという理由で、共有の交換尺度として使われ始めました。

その歴史は古く、世界最古のお金は約4,500年前のメソポタミア文明における地金でした。金や銀が使われ、その重量が基準として扱われました。

そして時代が進み、約2,700年前のメソポタミア文明で世界最古の硬貨「エレクトロン貨」が誕生しました。しかし、依然として金銀の重量が価値として扱われていました。

世界最古の硬貨 エレクトロン貨

世界最古の硬貨 エレクトロン貨

貨幣の重量が価値となると、多くの価値を交換するためには、重いものを持ち歩く必要がでてきます。これは非常に不便です。そこで登場したのが紙幣になります。

世界最古の紙幣は、今から995年ほど前の中国・北宋時代の政府が発行した鉄貨の預かり証と言われています。当時は今のような紙幣ではなく、預かり証の価値は預かっている鉄貨と同じであるため、鉄貨と同等の価値として扱おうというものでした。

世界最古の紙幣 鉄貨の預かり証

世界最古の紙幣 鉄貨の預かり証

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日本のお金の歴史

次に日本のお金の歴史が紹介されました。

日本では、硬貨が使われ始めたのは飛鳥時代の富本銭になります。その後、小判などが全国で使われていましたが、それぞれの地域で基準が異なっていました。それを統一したのが、江戸時代の徳川家になります。

明治時代になり、明治4年には金1.5gが1円というレートで交換されました。その後、物価が変化していき今の円の価値に至ります。

日本においては、紙幣は日本銀行が発行し、硬貨は日本政府が発行しています。このようになった背景は、第2次世界大戦の時に政府が紙幣を大量発行して経済が混乱したことから、政府が好き勝手できないように紙幣の発行権限を独立させたという背景があります。

今現在はお金はデジタル化し、電子マネーとしてプリペイド式のICカード(Suicaなど)やポストペイ式ICカード(QuickPayなど)が存在しています。

日本円は1円が金1.5gの価値だった

日本円は1円が金1.5gの価値だった

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お金の価値は結構かわる

続いて、お金の価値が大きく変動している歴史が紹介されました。

いずれの時代でも、特定の中央組織がお金の信用を担保してきました。しかし、この信用がなくなる時があります。その最たる例がハイパーインフレになります。ハイパーインフレでは、通貨の信用がなくなり、極端に物価が上がってしまう状態です。

ドイツでは5年間で物価が1兆倍になり、最終的に新しい通貨に切り替えることでハイパーインフレを収束させました。

ドイツのハイパーインフレ

ドイツのハイパーインフレ

ジンバブエでは、インフレ率が計測不可能なくらいのハイパーインフレが起き、パンの価格に2000億ジンバブエドルが付いていました。

ジンバブエでは、他国の法定通貨を自国の法定通貨として採用することにより、ハイパーインフレを収束させました。ジンバブエの法定通貨には米ドルやユーロはもちろんのこと、日本円も含まれています。

ジンバブエのハイパーインフレ

ジンバブエのハイパーインフレ

実は、日本でもインフレが起きており、147年間で約7,000倍になっています。1871年は金1.5gが1円だったものが、現在は金1gで4,200-4,800円になっています。

直近70年間で見てもインフレは約8倍になっているため、実は日本円の価値はけっこう動いているものなのです。

また、為替についても同様に大きく変動しています。

日本の直近70年のインフレ状況

日本の直近70年のインフレ状況

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非中央集権(分散型)への動き

ここ最近の動きは、非中央集権に進んでいることです。

今までの中央集権では、特定の誰かが管理をする仕組みでした。通貨であれば政府や中央銀行が管理し、決済は仲介業者で管理されていました。いずれも、管理主体が信用できるから成り立っていた仕組みです。

中央集権型のお金の管理

中央集権型のお金の管理

そして非中央集権は、特定の誰かではなく皆で管理する仕組みになります。そこに管理者や仲介者は存在していません。

ブロックチェーンという改ざんができないデータベースを利用することによって、通貨であればブロックチェーンがその信用を担保できるようになります。決済では仲介業者がいなくても、相手の信用が担保できるようになります。

非中央集権型のお金の管理

非中央集権型のお金の管理

ブロックチェーンでは、通貨や決済の他に、契約を自動化するスマートコントラクトを使い、決済の自動支払いや自動通知、自動売買や分散型アプリケーションへの応用ができるようになります。このほか、組織の意識決定や実務などを自動化することができます。

そのような画期的な仕組みのブロックチェーンですが、ブロックチェーンはまだ一部の人だけが使っているのが現状です。

マーケットの普及理論に当てはめると、ブロックチェーンはアーリーアダプター層に普及し始めたフェーズであり、本格的に普及していくといわれている16%のライン(キャズム)には達していません。

ブロックチェーンの普及状況

ブロックチェーンの普及状況

ブロックチェーンがキャズムを超えてこれから爆発的に普及する未来を見据え、作られているブロックチェーンの決済システムがPumaPayなのです。

PumaPayでは、ブロックチェーンで日常決済を作り変えていきます。

ブロックチェーンで日常決済を作り変えるのがPumaPay!

ブロックチェーンで日常決済を作り変えるのがPumaPay!

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第2部:PumaPayプロジェクト説明

片山氏の仮想通貨に関する説明の後、PumaPayのCEO Yoav Dror(ヨアヴ・ドロール)氏がプロジェクト説明を行いました。

Yoav氏率いるPumaPayは、2018年度の中で最も大きな資金調達を行ったブロックチェーンプロジェクトの1つで、その調達額は約128億円に上ります。

PumaPay CEO Yoav氏

PumaPay CEO Yoav氏

PumaPayが実現させるようとしていること

PumaPayは、キプロスに本拠地があり、現在は30名程度で活動しています。

Yoav氏は、PumaPayを一言で例えると「仮想通貨のPayPalだ(*1)」と説明しました。PumaPayは21世紀の決済システムを作ることを目標にしています。

PumaPayでは既存の決済サービスとブロックチェーンの良いところを組み合わせて、既存の決済サービスでできていた柔軟な支払いをブロックチェーンでも実現させます。

補足*1: PayPalとは、オンライン決済サービスで、190の国と地域で利用することができます。金銭のやりとりはPayPalが仲介するため、取引先にクレジットカード番号や口座番号を知らせなくて済み、より安全な決済ができるようになります。

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PumaPayが既に達成したこと

現在のブロックチェーンで決済をする場合は、モバイルウォレットを取り出してアドレスを入力して送金することになります。仕組み上、自分から送金をすることはできますが、相手のウォレットから引き落とすことはできませんでした。

PumaPayでは、スマートコントラクトを複数作ることにより、相手のウォレットからの引き落としを実用化しました。

PumaPayのプロダクト開発は順調に進んでおり、既にいくつかのことを達成しています。

現在は定期継続払いが導入できる状態で、PumaPayウォレットでその機能を利用することができます。ウォレットに対応している仮想通貨は、現在はETHとERC20規格のトークンになります。

さらに2週間前に公開した最新のバージョンアップでは、仮想通貨間の交換サービスがリリースされました。しかしながら、日本は仮想通貨交換業に関する法律の影響で、まだ対応していない状態です。日本にはこれから対応させていくとしています。

次のバージョンのリリースは来週で、BTCに対応させる予定になっています。このリリースでは、さらにビジネスコンソール機能が搭載され、ビジネス側はウィザードを使って支払い条件のロジックを設定ことができるようになります。

PumaPayの達成事項

PumaPayの達成事項

そして、既にPumaPayの導入が決定した早期導入事業者が紹介されました。

早期導入事業者は、簡単にWebページを作れるサービスを提供するWIX.com(ナスダック上場)や、WeWorkのヨーロッパ版ともいえるrent24、そしてアダルトコンテンツ大手のPornhubが代表的なものになります。

実は、この他にもPumaPayはアダルトコンテンツ業者の早期導入に成功しています。それは、アダルト業界特有の背景があるためです。

アダルト業界はハイリスクなビジネスに分類されます。ハイリスクな業界であるため、クレジットカード会社から高い手数料を要求され、それが収益を圧迫します。

また、一番大きな問題がチャージバックになります。チャージバックとは、ユーザがオンラインで支払いを行っても、ユーザの申し出により強制返金をしなければならないという仕組みです。

アダルト業界では、この期間が最大18ヶ月に設定されており、きちんとサービスを提供したとしても、ユーザの悪意により本来の売上を失ってしまうリスクがあります。しかも、ユーザ側が不当だったとしても、それを証明するためには時間や費用もかかり割に合いません。

さらに、チャージバックが一定の割合を超えると、クレジットカード会社から提携を強制解除されてしまいます。

そのような理由から、PumaPayはアダルト業界からの支持を集めているわけです。

アダルト業界を毛嫌いする人は少なくありませんが、ユーティリティトークンの価値を決定づけるのは流通量や決済量であるため、PMAトークンの投資家視点で見ると、マーケットが大きいアダルト業界でPumaPayの採用が進んでいるということは大きな意義があります。

PumaPayの早期導入事業者

PumaPayの早期導入事業者

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PumaPayがこれから実現すること

PumaPayではこれからさらに利用者を広げていきます。

その施策の1つが、PumaPayウォレットAPIの開発です。APIを提供することによって、サードパーティのウォレットがPumaPayの決済ネットワークに繋ぎ込みすることができるようになります。

これにより、PumaPayウォレットを使っていない人でも、他のお気に入りのウォレットでPumaPayが提供する柔軟な決済方法を使用することができるようになります。

PumaPay Wallet API

PumaPay ウォレットAPI

また、引き続きPumaPayウォレットの機能が強化されていきます。

2019年1月にはトップアップ型の支払いを組み込み、クレジットカードでPMAトークンが購入できるようになります。その後は、さらに多様な支払い方法が追加されていきます。

もちろん、さらに多くの仮想通貨に対応していき、トップ20の仮想通貨が扱えるようになる予定です。

そして事業者にとってありがたいのが、PumaPayプライドです。これはPumaPayを導入している事業者が自社サービスをプロモーションできるスタンドアローンのプラットフォームです。これを使って、事業者はサービスやスペシャルオファーを宣伝できます。

PumaPayプライドは、PumaPayウォレットに組み込まれているため、事業者はウォレット利使用者にリーチすることができます。

PumaPayの今後の展望

PumaPayの今後の展望

PumaPayでは、ウォレットの利用人数を拡大していく施策以外に、決済サービス提供者(PSP)の取り込みも検討しています。

PSPは、クレジットカード業者とそれを利用する事業者の間に位置する組織になります。PSPの下には100から1000の事業者がぶら下がっているとされています。

PSPにPumaPayを採用してもらうことで、その配下の事業者をまとめて取り込めることが期待されています。

PumaPayとPSPの統合構想

PumaPayとPSPの統合構想

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将来の構想

今まで紹介した内容はPumaPay2.0の構想でロードマップに書かれていることでした。ここからはPumaPay 3.0の構想です。

このパートに書かれている内容は仮の構想であり、アイデアごと破棄される可能性があります。確定していることではないという前提でお読みください。

まずは利用と処理を分ける構想です。PumaPayのメインネットを稼働させてから事業者から得たフィードバックで、PumaPayのサーバを用意するのが面倒という声が上がってきました。この構想は、これに応えるものになります。

現状は、PumaPay支払いは事業者側が用意したサーバを通じて、Ethereumネットワークを経由して決済されます。将来的にこの状態を、PumaPayネットワーク上にPumaPayプロセッサーという承認ノードを立て、PoS(Proof of Stake)を使った決済の承認方法に移行することが検討されています。

この場合は、承認を行うのはPMAトークンの保有者になり、その仕組み上PMAの保有量が多ければ多いほど承認作業の機会が増え、有利な立場になることができるようになります。

PumaPayのサーバからの切り離し

PumaPayのサーバからの切り離し

2つ目があらゆる暗号通貨を使った決済になります。

現状はPMAトークンの支払いだけであったものが、BTCやETHなどを支払い通貨として使うことができるようになります。

内部的には支払われた通貨はPMAに変換され決済が処理されます。わざわざPMAに変換する理由は、BTCのようなスマートコントラクトを使うことができない通貨でも、PumaPayの柔軟な決済方法を利用することができるためです。

支払い通貨の多様化

支払い通貨の多様化

3つ目が決済レイヤーの導入です。

現状のPumaPayは、依然としてPMAトークンの価格変動リスクがあります。事業者側にとっては、PMAトークンの価格変動により、昨日は100万円相当のPMAだったのに、次の日に80万円相当になっているというリスクが付きまとっていました。もちろん、これはユーザ側にも当てはまります。

事業者から見たらこのようなリスクは当然排除したいと思うわけで、PumaPayはそれを決済レイヤーを導入することにより解決しようとしています。事業者は、受け取る通貨を自由に選ぶことができ、価格変動が少ないステーブルコインや法定通貨も選択肢に含まれます。

決済レイヤー導入による受取通貨の多様化

決済レイヤー導入による受取通貨の多様化

あくまでも、このパートに書かれている内容は仮の構想であり、アイデアごと破棄される可能性があるという点を、しつこく繰り返しておきます。

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プル型決済デモ

最後にプル型決済デモをご紹介します。

デモでは、定期的な自動引き落としを設定して、その引き落とし結果がきちんとEthereumのブロックチェーン上に反映されていることが紹介されました。

動画の最後は、片山氏が鍛えた筋肉を魅せるポーズでフィニッシュしています。

PumaPayに関する情報

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この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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