インタビュー

【インタビュー】EMURGO ミッキー氏(4/5)ーCardanoビジネス拡大の戦略

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ブロックチェーンのインフラであるブロックチェーンプラットフォームを作るプロジェクトは数多く存在していますが、その中でもファンが多いのがCardano(カルダノ)になります。

Cardanoプロジェクトはいくつかの会社で構成されており、Cardanoのビジネス開拓を担うのがEMURGO(エマーゴ)になります。

今のCardanoがどうなっているのか?そして、その中でEMURGOは何をやっているのか?そのような疑問をEMURGOの広報の三本氏ことミッキー氏に取材しました。

第4部では、Cardanoビジネス拡大のためのこれからの動きや戦略について紹介します。第3部がまだの方は、以下のリンクよりご覧ください。

第3部:Cardanoの開発は遅すぎないか?

EMURGO 広報 ミッキー(三本)氏

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これからの動き

加藤:これから直近のEMURGO/Cardanoの動きはどのようになっていくのですか?

これからShelly(シェリー)というフェーズが本格的に始まっていきます。ステーキングと非中央集権化が実装される予定です。これがだいたい今年の前半に終わるのではないのかなと思っています。

イベント的なものでいうと、マイアミで4月にIOHKサミットが行われまして、ここにはEMURGOからCTOのニコラスと、技術リードのセバスチャンが登壇してスピーチする予定です。

より大きなものでいうとGoguen(ゴーグエン)というフェーズがあり、ここでスマートコントラクトが実装される予定です。これが年内になるのかなというところです。我々もリリースが待ち遠しいですが、ここは地道にやっていくしかないですね。

また、アップデートがあった際はTwitterで知らせますので、是非フォローをお願いします。

加藤:GoguenからがCardanoの本当のスタートみたいなものですよね。

他はスマートコントラクトがオープンしているところばかりなので、「イーサリアムみたいにDAppsが作られていないのは、Cardanoが不人気だから?」って言われたりして、「すみません、まだローンチしていないです」というやり取りがよくあります。

加藤:そういうやり取りは早く卒業したいですよね。

そうですね。早く我々もイケイケドンドンでやっていきたいですね。

加藤:そうなったら、ブロックチェーンの役者も出揃いますね。他のブロックチェーンプラットフォームの動向を見ていると、2019年にメインネットローンチというロードマップが多いので、競争もすごいことになりそうですね。

とにかく実社会に使われるものがでないと、ブロックチェーンの利用が加速もされていかないでしょうから、そこはみんなで双方に助け合って作っていく世界なのかなと思います。

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企業がCardanoに期待していること

加藤:Cardanoはまだスマートコントラクトがローンチされていないため、Cardanoを採用したい企業は、今あるブロックチェーンを使わずに敢えてローンチを待っている状態だと聞きます。待っている企業は、Cardanoの何に期待しているのでしょうか?

一回導入してしまうと別のブロックチェーンに「はい変えます」というわけにもいかなくなります。なので、皆さん慎重に検討されているのかなと思っています。

先程の繰り返しになりますが、我々は科学的なアプローチや暗号学会からの第三者からの査読を経て、論文の内容を技術に落とし込んでいます。あとは、ビットコインであったりイーサリアムの問題である拡張性・相互接続性・持続性の解決が見えているという期待もあります。

あとはアップデートを定期的にやって透明性を保っているので、採用するにあたって安心感があると思っています。おそらくその方が社内で話しやすいでしょうし。どうしてここを選ぶのかという裏付けとして、こういう技術・情報・実際に動くコードがあって信頼ができるという話ができるのかなと考えます。

さらに加えて、我々のビジョンの明確さですね。30億人の難民やアフリカの方々で、金融サービスにアクセスできない問題をCardanoブロックチェーンで解決し、彼らが銀行口座を作れたり、保険に入れたり、不動産を買えたりと社会参加できるようになると思っています。我々のそのようなビジョンに共感を抱いている企業があるのだと考えます。

加藤:モノの良さというのを前提として、プロジェクトの進め方による共感などの安心感が企業の支持を得ていると見ているわけですね。

ちゃんとこういう理想があって、プロジェクトを進めている会社であるというところが昨今大きく重要視されているのかなと思っています。

メタップスの佐藤さんが「お金2.0」という本を出していて、その中で今は資本主義経済だけれども、それで拾えていない内面的な価値や社会的な価値があると。それを拾うために、これからは価値経済に移行していくという話があります。どれだけ稼いでいるというよりも、何に向けて活動しているのかという内面的な部分が重要になります。

インターネットやブロックチェーンでも、人々が密に繋がってコミュニケーションできる時代になっているので、そこに対して投銭のような形で応援してもらえたり、具体的な行動をとって応援してもらえる企業になっていくが重要なのかなと思っています。

我々は、その辺りを皆さんに見られているのかなと思います。CSVやESGがしっかりしている企業に投資をするという人が最近増えているので、我々もそうした企業になっていくと考えています。

開発者をどう確保していくのか?

加藤:ブロックチェーンプラットフォームの死活問題が、開発者獲得です。開発者の多さはネットワークの価値といえるでしょう。Cardanoのエコシステムにおいては、EMURGOがメインとなって開発者獲得の取り組みをしているように見えますが、どのような戦略で動いているのでしょうか?

開発者の獲得は死活問題でして、もちろん一生懸命頑張っています。しかし、今はパイが少ないので、先細りです。なので、我々はパイ自体を増やしていこうと先にあげたEMURGOアカデミーを始めました。彼らを業界全体に放流して、そこからいつか戻ってきてもらうことを見込んでいます。

加藤:パイを広げていくというのが根底にあるのですね。

これも、結局遠回りに見えて近道のような気がします。短期で1年の効果測定、刈り取りということを言われたらきついです。しかし、3-5カ年で考えると、確実に効果が出てくる施策であると我々は判断しています。

加藤:意図的にCardanoに刈り取っていくという施策ではないのですね。

そうですね。もちろんCardano要素を入れ込んではいきますけれど(笑)ただ、全面的にCardano色に染めるとかではなくて、適度に挟みながら進めていく感じです。これは効率なインプットの施策になっていくと思います。

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産学連携はどうしている?

加藤:EMURGOでは、産学連携に盛んに見えます。研究提携やハッカソンなど。なぜそこまで力を入れるのでしょうか?また、東京理科大学や東京工業大学など、有名な研究機関との提携が成功しています。なぜそのようなところを選び、大学側からも選ばれているのでしょうか?

人材を育てるためにこのような提携を行っています。

なぜ我々がそれらの大学を選定して、また我々も選ばれたのかというと、我々にとっては東京理科大学も東京工業大学も技術者の排出に実績がある、かつ理系大学であるということが理由になります。

また、向こうにとっては、我々のブロジェクトに共感してくれたからこそ選定をしてくれたというところがあると思います。そこである意味相互に恋人同士みたいな形になれたのかなと。

加藤:ジャンルの相性の良さとビジョンが理由ということなのですね。

大学側も自らのセールスポイントを探しているのだと思います。そういう意味で、2つの大学は世の中の流れにアンテナを張っていて、ブロックチェーンに特化するのは大事なことなのだと思ってくれているということなのでしょうね。

加藤:私は地方の情報系大学出身なのですが、ブロックチェーンの研究をしている研究室はどこもありません。都内の大学はブロックチェーンについて熱心だと感じます。

いま都内だと、早稲田のブロックチェーン研究会なんかは結構筋がよかったりしていて、今の学生は凄いなって思いますね。

加藤:逆に学生の方がよく知っていたりしますよね。優秀だなと思います。

ぼーっとしていると、あっという間に置いていかれてしまうなと思います。彼らに刺激を受けながら、我々もなるべく先行したいなと思います。

次回予告

第4部では、Cardanoビジネスを拡大するために、これからどう活動していくかを紹介しました。

最後となる第5部では、Cardanoコミュニティやコミュニティの人たちへのメッセージを紹介します。

第5部:絆が強いCardanoコミュニティ

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この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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