ハードフォークというとBitcoinからBitcoin Cashが誕生したのが最も有名ですが、実はEthereumも意外とハードフォークしています。
今回は、EthereumのハードフォークであるEtherlncをご紹介します。
Etherlncとは
[the_ad id=”7860″]EtherIncとは、Ethereumからフォークしたブロックチェーンです。従来のEthereumからチェーンの性能が改良され、さらに分散型組織を運営しやすいDAppsが搭載されました。
これまでの組織運営では、書類作成や法律やコンプライアンス、人為的な制約など複雑な運用が必要でした。そしてこれらは中央集権的で、ブロックチェーンプロジェクトのような分散型組織の運営には向いていません。
EtherInc (elnc)では、ブロックチェーン技術を用いて分散型組織を作成し、運用するためのプロジェクトになります。
EtherIncで扱うelnc組織では、これまで必要だった信頼できる人や仲介者を入れることなく、ボーダレスで許可を必要とせず、民主的かつ透明性の高い運用を行うことができます。
Ethereumからのフォークで変わったところ
EtherIncブロックチェーンは再生保護機能を備えたEthereumブロックチェーンのフォークになります。
EtherIncは、2018年2月13日(火)16時21分28秒(UTC)にEthereumのブロック5078585のチェーンから分岐しました。
EtherIncでは、独自拡張を含むEthereumのすべての機能を使うことができ、さらに強力な分散型組織の運営に必要なDAppsが組み込まれています。
EtherlncブロックチェーンにおけるEthereumブロックチェーンからの変化は、以下の通りになります。
- ブロック時間が15秒から6秒に短縮
- ネットワークトランザクション速度が2.5倍に高速化
- トランザクション確認速度が2.5倍に高速化
- マイナー報酬が2.5倍に増加
- 失効したブロック(uncle)への報酬の廃止
- マイニングできるコインを有限にした
Etherlncでは、スケーラビリティがEthereumより上がるため、GASはEthereumより安くなりDAppsをより安価に実行できるとしています。
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Etherlncでできること
Etherlncでは、分散型組織の運用で必要な機能を備えています。
分散型組織の作成
Etherlncで利用する基軸通貨ETIコインを使い、Etherlnc上で扱うことができるelnc組織を作成することができます。
elnc組織には、予め決められたプロトコルが組み込まれており、Etherlncのスマートコントラクトを使い維持管理されます。
elnc組織にはすべて固有名称が割り当てられ、elncNSと呼ばれるEtherlnc上のスマートコントラクトで動作するネームサービス利用します。
プロポーザルの作成
組織の日々の決定はプロポーザルを通じて行われます。
プロポーザルを使用して、役割を作成、それをメンバーに割り当て、グレード付けをします。そして、役割に応じたアクションを実行できるようにする組織を構築することができます。
給料の支払い
給料支払いのプロポーザルを作成することにより、ETIコインによる給料支払いを実行することができます。
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EtherIncはどのように使われるのか
ここまで見てきた方は、頭の中は?マークが浮かんだことかと思います。それではユースケースを見ていきましょう。
民主的な仮想組織をブロックチェーン上に構築する
これは、Etherlncに組み込まれたDAppsを使った例になります。
まず、elnc組織名を作ります。そしてプロポーザルを通じて日々の決定を行っていきます。プロポーザルには、メンバーとその役割が割り当てられており、役割に応じたタスクをこなしていきます。
そして株式がある組織では、権利確定スケジュールと所有権や投票権の割り当ても行うことができます。
さらに、ETIコインを従業員の人件費や外注費に充てることができます。
より高速で低価格なコストでDAppsを動かす
Etherlncでは、Ethereumより高速で低価格なコストでDAppsを動かすことができます。
Ethereumと比べると、ブロック時間が短縮され、トランザクション速度は2.5倍と今までより高速に処理を行うことができます。
さらにはEthereumと比べるとGAS(手数料)が低価格になります。
ブロックチェーン上でセキュアな投票を行う
Etherlncを使うと、セキュアで透明性の高い偽造できない投票を行うことができます。
ブロックチェーン上ですべての状況と過程を記録することにより、理論上の透明性は確保され、しかも改ざんできない状態を作り出せます。
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ロードマップ
Etherlncのロードマップは2019年まで示されています。
2017年3Q
- Ethereumブロックチェーン上でeInc DApp起動
- Etherinc.org – eInc組織エクスプローラを開始
- EtherIncブロックチェーン研究開始
2018年2月13日
- EtherIncブロックチェーンソースコードのリリース
- 7つのパブリックEtherIncブロックチェーン(MAINNET)ノードを公開
- 3つのパブリックEtherIncブロックチェーン(ROPSTEN)ノードを公開
2018年2月24日
- EtherIncウォレットリリース
- EtherIncブロックチェーンAPI(MAINNET)を公開
- EtherIncブロックチェーンAPI(ROPSTEN)を公開
2018年2月27日
- EtherIncブロックチェーンのネットワークのステータス(MAINNET)を公開
- EtherIncブロックチェーンのネットワークのステータス(ROPSTEN)を公開
- eIncMeta Chrome拡張機能をリリース
2018年3月6日
- EtherInc(ETI)のパブリックマイニングが開始
2018年2Q
- EtherIncのコミュニティの構築
- トークン販売開始
2018年3Q
- EtherIncの取引所上場
- ウォレットプロバイダと提携
- EtherIncブロックチェーンをICOに採用してもらうための活動
2018年4Q
- eInc dApp Marketplaceを公開
- コミュニティの投票に基づいてスタートアップを選択できるeIncスタートアップポータルを公開
- Marketplace用のeInc dAppの開発開始
2019年1Q
- 外交によりelnc組織の法的地位を獲得
2019年2Q
- eIncNS(eIncネームサービス/組織レジストリ)公開
- 世界のインキュベータープログラムと共同でeIncのスタートアップファンドを立ち上げ
2019年3Q
- 新しいDAOモデルの調査開始
2019年4Q
- eInc組織の利点について人々に教育するキャンペーン
- eInc組織構造を教育するための大学とのパートナーシップ
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ETIトークンとICO
EtherlncはEthereumからのフォークであるため、既にETIトークンが世に流通している状態でスタートします。
ETIの基本情報とICO情報は以下の通りです。
基本情報
- プラットフォーム:EtherInc
- 正式名称:ETI coin
- シンボル:ETI
- 発行済み数(フォーク分):997,528,142 ETI
- マイニング上限数:94,238,438 ETI
- マイニング報酬付与開始:2018年2月13日(火) 16時21分28秒 (UTC)
- マイニング報酬付与終了:2042年2月07日(金) 16時21分28秒 (UTC)
Ethereumからのフォークなので、もちろんマイニングが存在します。3年ごとにマイニング報酬は半減していきます。
時系列 | マイニング報酬 (ETI) | 1ブロックあたりの報酬 (ETI) |
0年 | 4,73,04,000 | 3 |
3年 | 2,36,52,000 | 1.5 |
6年 | 1,18,26,000 | 0.75 |
9年 | 59,13,000 | 0.375 |
12年 | 29,56,500 | 0.1875 |
15年 | 14,78,250 | 0.09375 |
18年 | 7,39,125 | 0.046875 |
21年 | 3,69,563 | 0.0234375 |
24年 | 0 | 0 |
合計 | 9,42,38,438 |
ICO情報
ICOに参加するには、eincのページから「○○セールに参加する」をクリックしてユーザ登録します。
- 売り出し期間:2018年7月15日-25日
- 売り出し数:450,000,000 ETI
- 支払い通貨:BTC, ETH, LTC
- 売り出しレート:1 ETI = 0.1 USD
- ソフトキャップ:1,000,000 USD
- ハードキャップ:22,000,000 USD
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ハードフォークで付与されているETIを確認する
2018年2月13日(火)16時21分28秒(UTC)時点にETHを保有していた人には、Etherlncで使われるETIトークンが割り当てられています。割り当てレートは、ETH:ETI=1:1になります。
Etherlncのページから「あなたの ETHを利用してETIを無料で獲得する」に自身のイーサリアムウォレットのアドレスを入力し「クレームETI」をクリックすることによりETIの保有数量を確認することができます。
また、MyEtherWalletのEtherlnc版にあたるWeb Walletや、MetamaskのEtherlnc版にあたるelncMetaでETIを扱うことができます。
Etherlncに関する情報
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