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DODO Founder & CEO – Radar Bear氏:NFTを流動化するDODOのプロダクトについて訊く

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かわいいキャラクターで人気が高いDODO解説記事)は、PMM DEXをはじめとするDeFiプラットフォームを展開しています。2021年11月には、NFTの流動化ソリューションのDODO NFTの提供を開始しました。そこで、当サイトでは、DODOのFounder&CEO Radar Bear氏にDODO NFTについてインタビューしました。

NFTを流動化するDODOのプロダクトについて訊く

Radar Bear氏のプロフィール紹介

加藤:はじめにRadar Bearさんについて教えてください。もともとは何をしていて、ブロックチェーン業界にはどのような経緯から関わり始め、今のDODOに至りますか?

また、Radar Bearさんは、日本のサブカルチャー(アニメ、ゲーム)が好きと聞きました。この記事は日本語で掲載されるので、せっかくですので、どのような日本のコンテンツが好きかも教えていただけますか?

Radar:はじめまして。Radar Bear (Twitter: @bear_radar)と申します。

私は、元々物理学の院生でした。2017年に研究室のパソコンがハッキングされ、ビットコインを要求するマルウェアの被害に遭いました。パソコンの中のデータを取り戻したければビットコインを支払えというものでした。研究室のデータを守るために仕方がなくビットコインを購入することになったのですが、これが私の暗号資産を知るきっかけになりました。

その後、研究所の仲間と暗号資産の取引をはじめました。さらに、ブロックチェーンの研究をするようになり、2017年末に中国国内でDEXを開発していた企業のインターンシップに参加しました。そして、2018年に大学院を辞め、フルタイムでブロックチェーンサービスの開発に関わるようになりました。ですので、私のキャリアの中で唯一の仕事がDEXの開発になります。そして2019年末に、私が務めていたインターン先が「クリプトの冬」に耐えきれず倒産しました。そこで同僚のDaiさんと一緒にDODOを創業することになりました。

私は、日本のアニメが大好きで、かなりのオタクだと思います。DODOを創業してからは、仕事が忙しくてゆっくりとアニメを見る時間が減ってしまいましたが、その代わりに漫画を読むことが増えました。最近放送している人気アニメは既に漫画で知っているのであまり観ていません。私が今観ているアニメは、オリジナルストーリーの「王様ランキング」です。それ以外に、アニメファンの間で有名なタイトルは一通り観ています。また、ワンピースも毎週欠かさず観ています。

アニメの漫画以外では、最近一番時間を使っているのは「原神」というゲームです。これは、中国のゲーム会社が開発運営しているゲームですが、日本でもかなり人気がありそうですね。

ちなみに、DODOの名前の元ネタは「どうぶつの森」のドードーエアラインのドードーです。ドードーエアラインのおかげで、私はゲームの中でかなり儲けました!

NFT市場について思うこと

加藤:世界的にはNFTは盛り上がっており、毎日何かしらの新しいNFTやNFTプロジェクトが誕生しています。Radar Bearさんは、現在NFTのマーケットについてどのように思っていますか?ポジティブに思っている点、ネガティブに思っている点を教えてください。

Radar:NFT市場の強みは、語ってる物語(ナラティブ)が壮大で、すべてをものを網羅していることです。例えば、最近爆発的に広まったメタバースは、概念がとてもオープンです。NFTについて何も知らない人でも色々な想像ができるからこそ、ここまで広まったのだと思います。また、無から希少性を作り出すことができ、そして誰でもその希少性作り出せることができます。これはとても革命的で、人間社会にとって重要な”悟り”でもあると、私は考えています。

NFT市場の欠点は、周期性の短さとボラティリティーの激しさです。そしてこの2つの問題点の原因は「流動性の欠如」と「コミュニティの断片化」にあります。

NFTは流動性が低いため、買ったら価格がすぐに上がり、数人のインフルエンサーが少しでも宣伝するだけで一瞬で市場に火がつきます。 NFT市場には、まるで金食い虫が殺到するかのように人々が集まってきました。

その一方で、個々のNFTプロジェクトの供給量は少ないです。 現在、一般的なNFTプロジェクトがリリースするNFTの数は数千個で、実際の保有者数は2,000から3,000人程度です。 これが、現在のNFTプロジェクトのコミュニティの最大容量です。プロジェクトのコミュニティが最大容量になったら、後からきた新規参入者たち大金を出してもNFTを買えない状況になります。人気NFTプロジェクトのコミュニティに入れないNFTトレーダーたちは、やむを得ず次の人気プロジェクトを探して狙うしかありません。

つまり、毎日のように新しいNFTプロジェクトが生まれているからといって、それが以前のプロジェクトよりも「優れている」とか「進んでいる」ということではなく、単に既得権益集団に対抗しているだけなのです。どのようなテーマであっても、それが前のものとちょっと違うというだけで、追いかけっこの対象になります。

このようなNFTの急速な世代交代により、市場全体のコンセンサスが急速に細分化されてきています。 人々は投資に慎重になり、素早く出入りすることが唯一の選択肢になっています。 ある時点でコンセンサスが分裂し、コミュニティが小さすぎて人気や価格を維持できなくなると、NFT市場全体が一瞬にして冷えてしまうことでしょう。

「流動性の欠如」と「コミュニティの断片化」は実は1つの問題といえます。なぜなら、コミュニティのメンバーの取引需要が流動性のベースであり、そして流動性はコミュニティのコンセンサスのアンカーでもあるからです。

奇妙なことに、NFT市場はこの問題を「無意識のうちに」解決しています。 この問題を解決したモデルは、市場に認められます。 例えば、アバターNFTは、アートワークNFTに比べて、流通を容易にし、優れた同質性を持っています。その同質性は、アートワークNFTより強いコミュニティ効果をもたらします。 そこから生み出された価格発見プロセスは、フロア価格になります。そして、ソーシャルアバターはマーケティングその物にもなっていますね。

DODO NFTの背景

加藤:DODOのPMM DEXについては、以前Diane Daiさんにお聞きしたので、今回はDODO NFTについてお訊きしていきます。

Radar BearさんたちがDODO NFTを作るに至った背景を教えてください。また、DODO NFTとはどのようなサービスですか?また、NFT所有者のメリット、トレーダーのメリットをそれぞれ教えてください。

Radar:DODOはNFTのフラグメント化(断片化)に焦点を当て、フラグメント化技術を使ってNFTの流動性問題を解決しようとしています。NFT所有者はDODOのNFTプラットフォームを使って自分の所有するNFTの流動性を作ることができるようになります。そしてNFTをより効率的かつ良い価格で取引することができます。

DODO NFTには、2つのモードが存在しています。Buyout ModeとRetail Modeです。

Buyout Modeは、NFTの上場というイメージになります。これは、企業が株式を発行することで、多くの個人投資家に投資の機会を与え、企業が成長し続けるための資金を調達することができるのと一緒です。NFTのフラグメントを発行することで、より多くの人がNFTを取引できるようになり、流動性の低いNFTが流動的になり、NFT保有者は財務上のプレッシャーから解放されます。

Retail Modeは、NFTのAMMモデルになります。ERC20トークンをプールに入れるのと同様に、NFTをプールに入れます。プールにある個々のNFTは同質ではありませんが、同じ価格帯にあるNFTはかなり多いです。Retail Modeは、NFT取引を大幅に促進することができる。取引相手を待つ必要もなく、取引相手の価格を何度も試す必要もなく、プールと直接取引することができます。

NFTのフラグメント化は本当にNFTの流動性を向上させるのか?

加藤:私自身は、NFTのフラグメント化がNFTの流動性を向上させるのかについて少し疑問があります。なぜならば、例えば多くのNFTアートは、暗号通貨のようにプロジェクトのファンダメンタルズがあるわけではなく、1つの作品を認知している人は、暗号通貨そのものと比べるとごく一部に限られるのが一般的だからです。Radar Bearさんは、これについてどのように考えていますか?

Radar:私たちが採用している設計原則は、流動性の低い資産を販売する際の伝統金融界のアプローチを模倣したものです。例えば企業ビジネスを見ると、企業をまるまる売却するのは、高価でなかなか売れないはずです。 しかし、人々は株式を発明しました。

これは、NFTのフラグメント化と同じ線上にあります。DODO NFTでは、市場全体がNFTの流動性問題をどのように解決するかを考えています。そして、人々はさまざまなアイデアを持っています。NFTの流動性に対する解決策は間違いなく1つではありません。 しかし、NFTのフラグメント化は、絶対に試す価値のあるものだと考えています。

フラグメント化は、これまで見てきたNFT流動性ソリューションの中で最もDODOに適したものです。 たとえ3日ごとに市場のトレンドが変わっても、最も基盤的な流動性モデルに質的な変化がない限り、私たちには何の影響もありません。

日本マーケットにおけるNFT

加藤:Radar Bearさんは、NFTの日本マーケットについてどのように思っていますか?日本のマーケットが他と違うところはありますか?日本企業やコミュニティと何かやってみたいコラボレーションはありますか?コラボレーションに興味がある人は、どこに連絡すればよいですか?

Radar:日本のNFTマーケットはとても活発で、ポテンシャルがあると思います。

日本のアニメ・漫画文化、そして二次創作(同人創作)文化は、NFTとの相性がとても良いと思います。日本のツイッターでは、元々人気のイラストレーターがたくさんいて、NFTの流行は彼らの作品をもっと広げられるプラットフォームと、新たな収益化の方法を示したものになります。そして日本特有の同人創作文化は、個々のNFTコミュニティの拡大にとても有効だと思います。発売量が有限のNFTをベースにする二次創作は、より多くのイラストレーターとファンをコミュニティに引き込むことができるからです。

日本のNFTマーケットはこれからどんどん成長していくと思いますので、私たちはぜひ今のうちに多くの日本のNFTプロジェクトと連携したいと思います!もし、DODOと相性がいいプロジェクトがあれば、私たちは全力でその連携を支援します。興味のある方は、DODOJPの公式ツイッターアカウントにDMを送るか、DODOの日本事業担当のEthan(Twitter: @Rokkusensei)にお問合せください。

DODO NFTとNFTの未来

加藤:Radar Bearさんは、これからDODO NFTをどのようなプロジェクトに育てて、NFTの未来をどのようにしていきたいですか?

Radar:DODO NFTは、徐々にビジネスの範囲を広げていきます。 私たちは、NFTとERC20トークンはどちらも資産だと考えています。 資産である以上、必然的に発行から流動性、現物取引、デリバティブ取引までの一連のつながりが必要になります。 フラグメント化はただの始まりで、ブラインドボックスのリリース、現物取引のマーケットプレイス、NFT取引のアグリゲーターなどのプロダクトが今後開発されていくでしょう。

私たちがどのように今後の市場に立ち位置を確保するかというと「ユーザー第一主義」です。DODOは、ユーザーにしっかりとサービスを提供し、幅広い種類の資産を最良の価格で提供したいと考えています。

DODOは、資産をより深く掘り下げ、資金調達や発行、流動性、現物、デリバティブ取引までをカバーする資産プラットフォームを作りたいと考えています。 ユーザーには最高の価格と取引体験を、プロジェクトオーナーには最高の製品サービスを提供しています。

今後の意気込み

加藤:最後に、日本のDODOファンにメッセージをお願いします。

Radar:DODOの日本のファンの皆さん、ありがとうございました。 私にとって、各地域のファンの中でも、特に日本のファンのツイッターが活発だったのが印象的でした。私は日本が大好きで、既に3回も行っていますが、コロナが終わったら必ずDODOファンの皆さんにお会いしたいと思います。

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この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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