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Move言語のレイヤー1&2チェーン「Movement(MOV)」の解説

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Movement(MOV)の概要

Movement(ムーブメント)は、Movement Labsにより開発されているレイヤー1及びレイヤー2のブロックチェーンです。

名前の通り、MovementはMove言語で構築されたスマートコントラクトを動かすべく開発されました。Move言語は、Meta(旧Facebook)が主導で立ち上げたDiem(旧Libra)で利用される言語として開発されましたが、規制当局の圧力もありDiemで使われることはありませんでした。その後、Diemのチームから独立したメンバーが、それぞれMove言語を使う独自ブロックチェーンであるAptos解説記事)とSui解説記事)を立ち上げました。アプリケーション開発者は、Move言語を使うことにより、これまで主流となっているSolidityより安全で高速なサービスを提供することができるようになります。

Movementは、AptosやSuiと互換性を持つブロックチェーンを提供します。しかし、AptosとSuiのMove言語は完全な互換性を持っているわけではありません。そのため、Movementでは2つのチェーンを用意することにより、それぞれのチェーンとの完全な互換性を確保します。Aptosと完全な互換性を持つチェーン「M1」は、Avalancheのサブネットを使ってレイヤー1として構築されており、後にSuiとの互換性が追加される予定です。Suiと完全な互換性をもつチェーン「M2」は、M1を利用したレイヤー2として構築されています。M1側でSuiの互換性が追加された後でも、M2は再利用されるとしています。

M1とM2チェーンの特徴

M1:Aptos Move互換のレイヤー1

M1は、Avalancheの開発を手動するAVA Labsとの提携により開発されているレイヤー1です。M1そのものは、Avalancheの独自チェーンの構築するフレームワークを使い、サブネットとして構築されており、Aptos Moveと完全な互換性を持ちます。Snowmanコンセンサスを用い、処理容量の理論値は16万TPS以上、秒以下のファイナリティ時間を確保します。

M1の背景として、プロジェクトではMove開発者はモノリシックで流動性が低く、中央集権的なチェーンを選ばざるを得なくなっているとしています。M1を使うことにより、開発者はAvalanche Warp Messagingを通じてBenQiやGMXのような大規模な流動性プロバイダーをネイティブに利用することができます。

また、M1は相互運用性を持ち従来のEVMプロトコルの流動性を利用することができます。これはFractalモジュールにより実現され、SolidityのスクリプトをMove仮想マシンが理解できるオペコードに変換することができます。そのため、Solidityを構築したプロジェクトはMoveのパフォーマンスとセキュリティを活用しつつ、Moveのコードを書くことなくM2で起動することができます。

M1の詳細:Introducing M1: Redefining L1 Blockchains with the Movement SDK

M2:Sui Move互換のレイヤー2

M2は、Sui Moveとの完全な互換性をもったレイヤー2で、M1と同様の機能を有しています。

M1によってSnowmanコンセンサスが提供され、データ可用性にCelestiaを採用し、データ可用性をEthereumのブロック高にマッピングします。処理容量の理論値は14.5万TPS以上とされています。

M2の詳細:Movement Labs announces M2, the first Move VM-based L2 for Ethereum with Celestia underneath

MOVトークン

Movementでは、ネイティブトークンとして$MOVが発行されます。2024年1月10日時点、トークンの詳細についてはで発表されていません。

Movementに関する情報

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この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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